OS製マウンテンの電動化テンダーを納品しました。
この度、奈良県にある、まほろばファミリー鉄道さんのOS製マウンテン機関車(4-8‐2)のテンダー車を、新造した電動テンダー車と交換して納品いたしました。 こちらのレイアウトでは蒸気機関車としての運転を業務として行っていましたが、もっと簡単に手間をかけずに業務運転したいという目的で導入していただきました。
試運転の結果は良好でスイッチを入れるだけで既存の先頭車(無力化しています)を押しながら4両の乗用台車に大人6人を乗せて楽々走行することが出来ました。

上の写真はTRECの工場で組み立てが終わった状態の電動テンダー車です。一番前の妻板の部分にコネクターがあり充電器のコネクターを繋ぐだけでバッテリーの充電ができます。

テンダー車の中身です。 テンダー車には定番となったTREC製PT-80/350パワートラックを履いており総合出力は700Wです。モーターはフレームとは繋がっておらずボギー車と繋がっておりレールのRに合わせて向きが変わって動きます。
12V50Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー2個で走行します。運転士が乗っているテンダー車に電動駆動台車が付いているためモーターのパワーが運転士の体重が直接レールに伝わりスリップせずに加速と減速が出来ます。

車輪径は80φでOSの旧CT-78台車と同じサイズです。ベアリングは自動調心ベアリングを使用しており線路への追従性と転がり抵抗の少なさは抜群です。テンダーの大きさは幅280㎜長さは840㎜高さ340㎜、重さはバッテリ含まず50Kgです。以前ご紹介した電動テンダーはOSのC21に付けましたが、今回はそれより大型機のマウンテンに付けました。OSマウンテンは5インチのOS製機関車の中では一番大きなアメリカ型の機関車で動輪軸からユニバーサルジョイントを使ってテンダー軸を駆動できる特殊な機構を持った蒸気機関車です。その安定性と信頼性の高さから多くの業務用のニーズやマニアに使われていました。
機関車の無力化は走行時に抵抗となるシリンダー内のピストンの抜き取り、ボイラー用の水を供給する軸動ポンプのタンブラーとエキセンを繋いでいるバーの取り外し、テンダーへの駆動用のユニバーサルジョイントの取り外しなどを行いました。


テンダー上にはTREC製のASC-50標準型のスピードコントローラ―とサウンドの箱が乗っています。肩の丸い黒い箱はアンプ・スピーカーの市販品です。サウンドから出た音源をRCA3.5のジャックでアンプ・スピーカーにつないでいます。今回のサウンドは動輪に付けたセンサーの信号を拾いスピードに同期してドラフト音を再生します。それ以外にも汽笛、停止中の蒸気コンプレッサーの音などを再生することが出来ます。

今回納入したまほろばファミリー鉄道さんは近鉄天理線の軌道の横にあり、同じ敷地にファミリープールもあり子供たちや家族連れに人気がある公園です。レイアウトの横をしまかぜなどの近鉄特急が走っているのは楽しい光景です。
まほろばファミリー鉄道さんありがとうございました。