平岡幸三氏の新作本

自作の機関車を製作されている方は必ず見たことのあるお名前だと思います。

いままでにSHAY,New SHAY,HEISLER, CLIMAX,Pennsylvania A3 Switcherなどギアードアメリカンナローゲージ機関車の製作本を沢山出版されているまさに日本のライブスチーム界の重鎮です。

この度、アメリカの有名なLIVE STEAMという雑誌を出版しているVillagepress 社からLIVE STEAMの雑誌に2013年から10年以上に渡り掲載されていたRio Grande K27という機関車の製作本が出版されました。 この機関車はコロラド州で活躍していた有名なナローゲージの機関車です。ナローゲージと言ってもアウトサイドフレーム(車輪の外側にフレームがある)大型機で日本のD51並みの大きさの機関車です。

本では3.5インチサイズで作られていますが5インチサイズにも大型化できるように資料がついています。

ちなみに3.5インチサイズでも全長はテンダーを含めて1800㎜ぐらいになります。

5インチで作れば1.5倍ですので2700㎜ですね。ものすごい大きさになります。

以前に日本語で平岡氏のPennsylvania A3 Switcherの作り方が出版され話題になりましたが、今回の本はアメリカ向けの英語版です。

この本の素晴らしさは膨大な情報量です。まさに平岡幸三氏の技術の集大成と言えると思います。ほかのアメリカ出版の本と違いスケールはすべてメトリックで書かれておりそれぞれの部品の作り方、治具の作り方など誰でもこの通りにやれば失敗せずに完成するという丁寧な説明の本になっています。それぞれの部品やボイラーを含めた大型パーツについても本当に詳しく丁寧に書かれています。言い忘れましたがこの本はVol. 1とVol. 2の2冊構成になっていてそれぞれが450ページにもなる大作です。ライブスチームの製作本でここまでの大作は見たことがありません。

平岡幸三氏はM重工のプラントエンジニアを長年されていました。出張も多く海外での時間も長かったと思いますがそういう中でこれだけの実績を上げたのは平岡氏の情熱の賜物だと思います。

また、平岡氏の設計に基づいて実際の製作作業、加工中の美しい写真を提供してきた岡山の中原為人氏にも深い敬意を送りたいと思います。

このお二人に共通しているのは作る部品の一つ一つに手を抜かない事、品のある仕上げに仕上げることを第一にしています。同じ部品でも丁寧に時間をかけて作ることは大変なことです。私自身はここまできちんとしたことは出来ませんがすごく感銘を受けましたし勉強になりました。

OSの機関車は精度よく作られていて誰でもハンド工具だけで組み立てられますがこの本では材料からどのようにその部品を作っていくかがすべてわかります。ご興味ある方は一度ご覧になってください。

送料は高いですが、本自体は70ドル程度ですので2冊揃えても140ドルぐらいです。

詳細はこちらに(www.machinistsworkshop.net “click on store”)   今回はこのような技術本の紹介でした。

私の仕事であるOS部品の中でなくなってきたものが有るので少しずつ補充しています。

今月までにシリンダードレーンバルブ、安全弁、投炭用スコップ、圧力計などを補充しています。もうすぐ完成するのはブローダウンバルブです。電蝕しないようにボイラー内部で水につかる部分は真鍮ではなくリン青銅材を使っています。

今後ともよろしくお願いします。

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